LPガス配送とは?プロパンガス配送との違いも分かりやすく解説
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私たちの日常生活で広く利用されているLPガスですが、その配送方法やプロパンガスとの違いについては、あまり知られていないようです。
この記事では、LPガス・プロパンガス配送の仕組みや特徴を詳しく解説するとともに、効率化の方法について紹介します。
LPガス配送とプロパンガス配送の違い
LPガスとプロパンガスは、共に液化石油ガスの一種です。
LPガスは、プロパン(C3H8)やブタン(C4H10)を主成分とする液化石油ガスの総称ですが、用途によってその比率は異なります。
なかでも、家庭で使われるLPガスにはプロパンが多く含まれているため、「プロパンガス」と呼ばれます。
また、家庭で使われるガスの種類としては、「都市ガス」もあります。
都市ガスとはメタン(CH4)を主成分とする天然ガスのことで、地下を通るガス管を通じて家庭に供給されます。
LPガス・プロパンガスは、どちらもボンベに充てんされてトラックなどで配送されるため、ガス管が整備されていない地域にも供給が可能です。
LPガス・プロパンガス配送の仕組み
- 産ガス国からオーシャンタンカーで輸入基地へ
- 輸入基地からタンクローリーやコースタルタンカーで充てん所へ
- 充てん所でガスボンベにLPガスを充てん
- トラックなどで家庭・事業者まで配送
日本では、LPガス・プロパンガス供給量の76.3%※を輸入に頼っています。
※出典:資源エネルギー庁「令和4年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2023)」
産ガス国で生産されたLPガス・プロパンガスはタンカーで国内の輸入基地に運ばれ、タンクローリーで各地の充てん所に配送されます。
そこでガスボンベに詰められ、配送事業者のトラックなどで家庭や事業所まで配送されるのが、LPガス・プロパンガス配送の基本的な仕組みです。
配送事業者がLPガス・プロパンガスを配送する際は、前回のガスボンベ交換日や過去のガス使用量にもとづいて予測された交換時期を踏まえて、配送員が次に交換するべき日を計画します。
ガスボンベが空になる前に交換しなければならないため、予備を含めて2本のボンベを設置したうえで、1本ずつ交換するのが一般的です。
配送事業者がLPガス・プロパンガスを配送する際は、前回のガスボンベ交換日や過去のガス使用量にもとづいて予測された交換時期を踏まえて、配送員が次に交換するべき日を計画します。
ガスボンベが空になる前に交換しなければならないため、予備を含めて2本のボンベを設置したうえで、1本ずつ交換するのが一般的です。
ガスボンベの残量がゼロになるタイミングを見計らって交換することは難しく、交換時の残ガス率は15〜20%が平均だと言われています。
LPガス・プロパンガス配送の特徴
LPガス・プロパンガスの配送は、私たちの生活のインフラを支える重要な役割を担っています。
しかし、経験とスキルが求められる業務のため、物流業界のなかでも人材確保が困難であり、人材不足は今後ますます深刻化することが予想されています。
続いては、LPガス・プロパンガスの配送業務の特徴や課題について説明します。
配送日は配送員が計画
前述の通り、LPガス・プロパンガスを交換するタイミングは、配送員が計画します。
予備を含めた2本のガスボンベのうち、1本の残量がゼロになる前に交換が必要ですが、交換タイミングが早すぎれば、その分配送頻度が増えて効率が低下します。
さらに、季節によってもLPガス・プロパンガスの使用量は変動するため、それも踏まえてタイミングを見極めなければなりません。
そのため、LPガス・プロパンガス配送員は、最適なタイミングと効率的なルートを考慮したうえで配送計画を立てる必要があり、豊富な経験とスキルが求められます。
担当エリアの引継ぎが難しい
LPガス・プロパンガスの配送業務で効率的な配送計画を作成するには、配送先や充てん所に関する情報はもちろん、地理的特性や道路事情、配送先ごとの事情など、担当エリアを熟知しておく必要があります。
多くの情報を把握しなければならないため、担当エリアの引継ぎが難しく、柔軟な人材配置が難しいことも課題となっています。
1人の配送員が同一エリアを長年担当しているケースも多く、熟練した配送員から新人への業務の引継ぎがうまくいかないこともあるでしょう。
サービスの質や業務効率を維持したまま効果的な引継ぎを行うには、詳細な資料の準備と十分なトレーニングが必要です。
しかし、物流業界全体で慢性化している人材不足によって、引継ぎに十分な時間を割くことは難しく、引継ぎを行ったとしても資料化が難しい情報もあるため、属人化している配送事業者も多く見られます。
配送員に資格が必要な場合がある
LPガス・プロパンガスの配送員が必ず取得しなければならない資格は、運転免許です。
普通免許、中型免許、大型免許など、配送に使用する車両に応じて必要な免許の種類は異なります。
また、配送と同時に設備の点検も行う場合は「保安業務員」、質量3,000kg以上のLPガス・プロパンガスを配送する場合は「高圧ガス移動監視者」の講習を受けなければいけません。
LPガス・プロパンガスの設備工事など、より高度な作業を行うには「液化石油ガス設備士」などの国家資格が必要な場合もあり、資格の取得に時間がかかってしまいます。
関連記事:LPガス・プロパンガス配送に必要な資格一覧!どんな資格か分かりやすく解説
LPガス・プロパンガス配送を効率化するには?
社会問題となっている物流業界の人材不足を背景に、特殊性の高いLPガス・プロパンガス配送は、とりわけ人材確保が難しくなっています。
そのため、少ない人数でもサービスの質を維持するには、業務効率化が不可欠です。
最近では、無線通信技術によりLPガスメーターの指針値情報を収集し、残量がゼロになる直前で交換ができるようにしたり、効率的な配送計画を自動作成したりなど、LPガス・プロパンガスの配送に特化したシステムがさまざまな企業から提供されています。
配送員の負担を減らして一人ひとりの生産性が向上すれば、深刻化する人材不足の解決策となるだけではなく、LPガス・プロパンガス配送事業者のコスト削減にもつながるでしょう。
関連記事:配送計画の最適化方法!システム導入によるメリットや、LPガス配送に特化したサービスを紹介
適切なシステムを導入してLPガス・プロパンガス配送を効率化しよう
LPガス・プロパンガスは、充てんされたガスボンベの配送によって供給されます。
配送員は、配送先や充てん所に関する情報はもちろん、地理的特性や道路事情など、担当エリア内のさまざまな情報を熟知したうえで、効率的で無駄のない配送計画を作成することが求められます。
また、LPガス・プロパンガス配送は重いガスボンベを運ぶため体力が必要な業務です。
加えて、人材の確保は今後もさらに困難になることが予想されるため、適切なシステムを導入して配送員の負担を減らし、業務の効率化を図ることが重要となるでしょう。
LPガス・プロパンガス配送の効率化にお悩みの方は、ぜひこのようなシステムの導入を検討されてはいかがでしょうか。